コリドラスの繁殖&産卵誘発方法について

コリドラス繁殖
コリドラス オスメス

この記事では、僕がコリドラスを繁殖させるために実践している方法をできるだけわかりやすく、具体的にお伝えしたいと思います。

僕もコリドラスの繁殖に初挑戦したころ、国内外の記事や動画などをたくさんチェックしました。でも、「これだ!」っていうまとまった情報ってなかなか見つからなかったんですよね。

そこで僕が繁殖に上手く行った方法を全てまとめておこうかと!

もちろん相手は生き物ですので、「この通りにやれば必ず繁殖に成功する」といったものではありません。

ただ、僕自身この方法をベースに

「コルレアなどショートノーズ系の人気種」
「ハステータスやピグミーといったチビコリ系」

などを繁殖させてきました(現在進行系)

・コリドラスの繁殖に挑戦してみたい
・何を試しても産卵する気配がない
・好きなコリドラスを増やして水槽いっぱいに泳がせてみたい


そんな方の参考になれば嬉しいです!

ちなみに今回はコリドラスの飼育から産卵までをまとめています。産卵後の卵管理などについてはこちらをご覧ください。

では行ってみましょう!

コリドラス繁殖に適した飼育環境

コリドラスを狙って繁殖させるために最初に意識すべきこと。それは「できるだけストレスなく快適な環境で大きく育てる」

これに尽きると思っています。

「栄養価の高い餌とか水換えのコツ、弱酸性の軟水で。。。」

そんなノウハウ的な話は後回し!まずはストレスなく快適に育てることを意識してみてください。ということで、まずは水槽のサイズから。

繁殖に適した水槽サイズ

「過密飼育を避け、可能な限り大きい水槽で悠々と泳がせる!」

これが理想だと思いますが、水槽を置くスペースにも限りがあります。ということで僕なりの水槽サイズと適正数の目安はこんな感じです。

30cmキューブ水槽(30×30×30)

ハステータスやピグミーなどのチビコリで10匹ほど

以前、ハステータスの成魚を30cmキューブに25匹ほど入れていたのですが、その際は全く産卵の気配がありませんでした。で、ちょっと「過密気味かな?」と思い10匹ほどに減らしてみたところ、そこからバンバン産むように!

同じくチビコリのピグミーでも過密より10匹前後の方が産卵率が高く感じました。そんな経験から、個人的には30cmキューブ水槽=チビコリ10匹程度がいいかなと。

45cm水槽(45×30×30)

チビコリで約15匹~25匹。平均サイズのショートノーズ系(成魚サイズ7cmほど)で約5匹

底面積や遊泳スペースに余裕を持たせつつも、コンパクトサイズで扱いやすいのが良いです。設置スペースや維持管理、サイズ感など、トータル的に見て1番のおすすめかなと!

60cm水槽(60×30×36)

平均サイズショートノーズ系で約8~10匹。

設置スペースなどの制限がなければ、最も繁殖に適したサイズかと思います。ウチのコルレアも「45cmから60cmに引っ越しさせたら、その数日後から産卵し始めた」なんてことがありました。

チビコリ(コリドラスピグミー)を50匹ほど60cm水槽で単独飼育していたら、産卵誘発や隔離などせず自然繁殖でいつの間にか100匹くらいに増えていたり。

ただ、60cm水槽は設置場所の確保が大変だったり濾過フィルターなどの機材もそれなりに必要になるのが難点でしょうか。

繁殖を楽しむスタイルでコリドラスを飼育していくと、ドンドン水槽が増えていきますしね。

もし予算や設置スペースなどに余裕があるのでしたら、僕は迷わず60cm水槽を選択します。

ということで僕の経験や繁殖事例を元にオススメの水槽サイズを紹介してみました。

30cmキューブ水槽や過密飼育でバンバン繁殖させているブリーダーさんもたくさんいます。なので、ここでお話した内容はあくまでも参考程度と捉えれてもらえればと。

「色々試してみたけど繁殖に成功しない」という場合は、とりあえずの目安にしてみてください。「水槽サイズや飼育数を変えたらすぐに繁殖した」なんてこと、結構ありますからね!

コリドラス繁殖におすすめの濾過フィルター

コリドラスの繁殖を狙うには餌を多めに与えるのが効果的なので、水質が悪化しやすい傾向にあります。そこで重要になってくるのが濾過フィルター。

 ・外掛けフィルター
 ・外部フィルター
 ・上部フィルター
 ・底面フィルター
 ・スポンジフィルター
 ・投げ込み式フィルター

など濾過フィルターには様々な種類がありますが、結局のところ物理&生物濾過がしっかり出来て水質が安定するならどのフィルターでも問題ありません。

ただ、その中でも個人的なオススメは

 ・外掛けフィルター
 ・スポンジフィルター
 ・投げ込み式フィルター
 ・底面フィルター


これらを組み合わせたものになります。

「上部フィルターと外部フィルターは濾過能力が強力だし、コリドラス飼育で良くオススメされているけど・・・」

そんな声も聞こえてきそうですが、繁殖目的の場合は少し使い勝手が悪いかなと。

上部フィルターは水槽の上半分が覆われてしまうので採卵や魚をすくう際の邪魔になりますし、外部フィルターは設置場所が必要になるので、何台も置くくらいならその分水槽を増やしたい。

そんな理由から僕は使用を避けています。

ちなみにウチの水槽のフィルターはこんな感じです。

●45cm水槽
外掛けフィルター / スポンジフィルター / 投げ込み式フィルター×2

●60cm水槽①
外掛けフィルター / 底面フィルター / スポンジフィルター / 投げ込み式フィルター

●60cm水槽②
外掛けフィルター / スポンジフィルター / 投げ込み式フィルター×2


ちなみに外掛けフィルターは物理濾過に特化させていて、中身はウールマットとハードマットのみ。生物濾過&エアレーションはその他のフィルターに任せています。

LEDライト

「コリドラスはナマズ目の夜行性だから(魚種などによって諸説あり)」「流木や水草の陰に隠れてジッとしていることが多いから」など推測の域ではありますが、明らかに暗い環境の方がコリドラスは生き生きとしています。

なので、強い光量下で飼育するのはコリドラスに多大なストレスを与えていると考えられます。

とはいえ、照明なしで一日中薄暗い環境で飼育するのも違うと思うんですね。自然界でも日中は日光が当たって明るいわけですし、そもそも薄暗い水槽だと生体の観察もできないしコリドラス飼育の醍醐味もありません。

ということで僕も様々な照明を試したのですが、コスパ含めちょうど良いな~と感じて使用しているのが以下の2つ。

ミニLED ビーンズ ブラック
Derlights 植物育成ライトLED

コリドラス繁殖に適したレイアウト

コリドラスの繁殖を狙う場合、ネイチャーアクアリウムのような綺麗で複雑な水景はあまり向いていません。レイアウトはできるだけシンプルすることをオススメします。

 ・コリドラスの状態をチェックしやすい(エサ食いや病気、動きなど)
 ・水換えや掃除、メンテナンスがしやすい
 ・食べ残しなどがわかりやすい
 ・どこに卵を産み付けたか一目瞭然


このような理由からです。

そもそもコリドラスと水草レイアウト水槽は相性が悪いです。コリドラスは溶存酸素量が多い水を好む一方、多くの水草は二酸化炭素を必要とします。

また、水草を綺麗に育てるには一定の光量も必要となってきますが、コリドラスは強い照明を嫌う傾向があります。さらに、コリドラスは底床をほじくり返して餌を採る習性があるので、有茎草は引っこ抜かれたりします。

なので、「水草レイアウトを楽しみながらコリドラスを繁殖させる」というのは諦めた方がいいです。

※この記事は「コリドラスの繁殖」を最優先のゴールにしているので、「コリドラスの飼育や鑑賞」が目的ならいくらでもやりようはあります。

とはいえ、やっぱり水草や流木などの隠れ家があった方がコリドラスもストレスなく生活できる気がします。

実際、「ベアタンク(底床なし)+スポンジフィルターのみ」というシンプルな水槽に大量のウィローモスを入れた数日後に産卵したという経験もあります。
※ウィローモスが直接的な産卵トリガーになったのかはわかりませんが・・・

ということで、僕の経験に基づく主観ではありますがオススメ水草&レイアウトについて。

水草

先述した通り、コリドラスに向いている水草の条件は

 ・低光量でもOK
 ・二酸化炭素の添加不要
 ・底床に植え付ける必要がない


これらを満たすものと言えるでしょう。つまり、「陰性水草」「浮草」が筆頭になってきます。

よく”アマゾンソード”もコリドラスの産卵床としてオススメされますが、底床を薄くすることも多いので植え付ける系の水草は使用したことがないです。鉢などに入れるといいかもですが。

で、僕の経験上では

 ・アヌビアスナナ
 ・ミクロソリウム
 ・ウィローモス
 ・マツモ
 ・アナカリス
 ・アマゾンフロッグピット

低価格で入手しやすい水草としては、この辺りがいいかと思います。ただ、コリドラスは水草に卵を産み付ける習性があるので、浮草だけでなく「アヌビアス・ナナ」「ミクロソリウム」あたりは入れたいところです。

コリドラスが産卵しまくっている水槽

飼育環境や設備などを紹介したところで、実際にウチで繁殖しまくっている水槽を紹介したいと思います。撮影スキルがないので、画像が雑なところはご了承ください。

●60cm規格水槽

縦置きしているのでわかりにくいですが、以下のような水槽になっています。

・水槽サイズ:60cm規格水槽(60×30×36)
・生体:コリドラスコルレア8匹(オス5匹:メス3匹)
・底床:大磯砂(中目)
・照明:ミニLED ビーンズ ブラック
・濾過フィルター:底面(ニッソー バイオフィルター) / 投込(水作エイトコアL) / スポンジ(メーカー不明) / 外掛け(GEXスリムフィルターM)
・流木(ブランチウッド)×1:アヌビアス・ナナ&ミクロソリウムナローを活着

●45cm水槽

コリドラス繁殖水槽

・水槽サイズ:45cm水槽(45×30×30)
・生体:コリドラスハステータス16匹(雌雄は不明)
・底床:コリドラス・どじょうに最適「川砂」
・照明:植物育成ライトLED
・濾過フィルター: 投込×2 / スポンジ(メーカー不明) / 外掛け(GEXスリムフィルターM)
・流木(ブランチウッド)×1:アヌビアス・ナナを活着

繁殖を狙ったコリドラスの飼育方法

コリドラスの繁殖におすすめの飼育環境や設備を紹介し終えたところで、ここからは実際の飼育方法についてお話していきたいと思います。

では早速行ってみましょう!

コリドラスの繁殖難易度について

まず最初にコリドラスには繁殖させやすい種類とそうでないものがいます。例えば、”月刊アクアライフ”の2022年4月号に「セミロングノーズのスーパーシュワルツィ」の繁殖に成功された方の記事が掲載されていたのですが、そこには

”世界的にも例が非常に少ないセミロングノーズコリドラスの繁殖に、国内の愛好家が成功した”

こう記されていました。このような「繁殖に成功すれば雑誌に取り上げられるほどレアな種類」を初心者が狙って繁殖させるのは難しいです。

逆に、「赤コリ」「青コリ」「白コリ」「パンダ」のようにホームセンターでも数百円で売られているメジャーな種類は普通に飼育しているだけでも簡単に産卵することがあります。

とはいえ、「繁殖させるなら種類は何でも良い」というわけではないですよね?どうせなら自分が好きな種類のコリドラスを繁殖させたいはずです。

なので最初は繁殖事例を調べてみると良いと思います。「コルレア(好きなコリドラスの種類) 繁殖事例」みたいな感じですね。

もしくは、ヤフオクやショップなどでブリード個体が出回っているかを調べるのも良いでしょう。その上で「安定的に流通されている」と判断したら挑戦してみる価値はあると思います。

オスとメスの適正数と見分け方

当たり前ですが、繁殖させるためにはオスとメスを同じ水槽で飼育しなければなりません。

そこでコリドラスのオスメスを判別して適切な数を揃えてあげる必要があるのですが、一般的には「オス:メス=3:2」の割合が最も繁殖に向いていると言われています。

ただ、コリドラスの雌雄判別は難易度が高いんですよね。一応、見分け方としては「胸鰭の形」「体格(上見するとわかりやすい)」というものがあります。

この5匹を上見した場合、上2匹は体が細く下3匹は少しふっくらしています。なので、上2匹はオスかなと。(右上は体が細いだけでなく、胸鰭も尖っているのでオスの可能性大)

次に胸鰭が見やすいようにプラケースの下から撮影してみました。

左は団扇のような形をしていて、右は尖っているのがわかります。つまり、左はメスで右がオスかな?くらいの感じです。それでもやっぱり断言することはできません。

このようにコリドラスは確実に雌雄判別するが難しいです。

雌雄判別がしやすメダカなんかは「1ペア(オスとメス)」みたいに販売されていますが、コリドラスってペアで販売されているケースは少ないですよね。

ベテランのショップ店員さんに聞いても、「たぶんメスだと思うんですけどね・・・」みたいな曖昧な回答が返ってくるはずです。ヤフオクなんかでも、「おそらくメスですが確実ではありません。個体の写真を見てご自身で判断してください」みたいな記載が多いです。

※特にチビコリは抱卵してお腹が大きくなって初めて「この子メスだったんだ!」と確信を持てるレベル

そんな曖昧な雌雄判別しかできないので、とりあえず5匹以上を一緒に飼育することをオススメします。5匹もいれば、「全てオス(メス)」という確率が低くなりますからね。

ちなみにウチの水槽で産卵しまくっているコルレアは8匹いるのですが「オス5匹・メス3匹」でした。※産卵するほど成熟すれば、さすがに雌雄判別はできます。

なので、「オス:メス=3:2」は理想的な割合であって、単なる目安と捉えていいと思います。オスとメスが同水槽内に確実に入れば産卵条件は満たしていますからね。

水質について

例えばネグロ川原産のコリドラスについて調べていくと、

「ネグロ川の水温は雨季で22度・乾季は28度」
「ネグロ川はブラックウォーターで弱酸性の軟水」
「流速は時速1kmでゆったりと流れている」
「コリドラスは雨季に産卵する」

みたいな情報にたどり着くと思います。その情報を考慮すると、

 ・PH=4~5.5
 ・ブラックウォーター
 ・水温22度
 ・水流は弱め

このような水槽環境を用意しようとなるはずです。

ですが、「大自然のアマゾン河」と「水槽」では全く環境が違います。そもそも、アマゾン河には”水換え”という概念すらないですし。

なので、日本(ご自身の水槽環境)に適した状況でストレスなく快適に育成するというのが大切だと思っています。

地域差はありますが、日本の水道水のPHは「5.6~8.6」で、平均すると中性(7.0付近)のようです。ちなみに僕が住んでいる地域の水道水は「PH=7.4」くらいです。

水換えなどで日常的に使用する水道水のPHを毎回4~5.5に調整して水槽に入れるのは非現実的でしょう。毎度、水質調整剤や浄水器などでコントロールするのが理想ですがコスパ面なども含めると・・・どうなんでしょう。。。

なので日本でコリドラスを飼育、繁殖を目指しているのであれば、原産地の環境を参考程度にしつつ、ご自宅の環境に合わせていった方がいいと思います。

例えば、

「PH4~5.5までは下げれないけど、弱酸性にはしたいのでリバースグレインソフトを使ってみる」
「硬度を上げる石や底床の使用を避けて、流木を多めに入れてみる」
「餌をやることでPHが下がるので、それで対処する(硝酸塩も増えるので水換えで対応)」


みたいにご自身の環境に合わせてベストな方法を見つけていくのがオススメです。「そもそもコリドラスが嫌うアルカリ性に傾いている」といった極端なことでなければ、そこまで神経質にならなくても良い気がしています。

水温について

コリドラスは22~26度付近が適温とされています。高水温に弱いと言われていますが、夏場の水温30度くらいでも問題なく育成できた経験があります。

なので「飼育するだけ」ならあまり水温を気にする必要はないかなと。(常識的な熱帯魚飼育の範囲内で)

ただ、繁殖を目指すなら常時25~26度くらいが良いと思います。その理由については「産卵誘発」のところで詳しくお話します。とりあえず、「産卵を狙っているなら常時25度くらいで飼育しておけばOK!」くらいの捉え方で問題ありません。

餌の選び方と餌やりの回数について

コリドラスを産卵可能な状態にするためには「健康的に太らせること」が重要になってきます。
つまり餌なわけですが、「栄養価が高くて嗜好性が良い餌を選ぶ」ことがポイントです。

特に僕が重視しているのが嗜好性。「コリドラスは大食漢で雑食だから何でも食べる」なんて言われていますが、実はそうでもありません。特に人工餌の場合、嗜好性が全く違ってきます。

嗜好性抜群と言われている、

 ・グロウD
 ・コリビッツ
 ・ファンチップス
 ・デルフィス

これらには全く見向きもせず、金魚の餌ばっかり食べる子もいたり・・・

餌が悪いとかではなく、好みの問題なんだと思います。気に入ったものなら何でも食べるので、「コリドラス専用餌」にこだわる必要はないかなと。

様々な餌を試してご自身が飼育しているコリドラスが喜んで食べ、さらにコスパが良い餌を見つけてみてください。「安くて栄養価が高くて嗜好性抜群」なエサが見つかれば最高です!

こればかりはホントに個体差が大きいので「この餌なら絶対に食べる!」と言えるものはないと思います。

ちなみに僕が与えている人工餌は、

①グロウD
②ひかりクレストディスカス
③ランチュウベビーゴールドSS


この3種類になります。また、人工餌だけでなく

①ブラインシュリンプ
②グリンダルワーム
③活イトメ(ごく稀に)
④冷凍アカムシ


これらの冷凍餌や活餌も毎日与えています。ブラインシュリンプは「コリドラスの稚魚」や「小型熱帯魚」のために毎日沸かしているので、ついでに親コリドラスにも与えている感じです。

親コリドラスしかいなければ、たぶん与えていません。高価なうえに沸かすのが面倒なので。グリンダルワームは自家培養しているので、活イトメの代替として与えています。

以下の記事で簡単にできるグリンダルワームの培養方法をお話しているので、ぜひ読んでみてください。

活イトメはたまに近所のメダカ屋さんに入荷されるので、産卵誘発などのタイミングがあえば1~2ヶ月に一度与える程度です。(産卵誘発する際は一気に大量に与えることもあります)

冷凍アカムシは「阿蘇 こだわり赤虫」を与えています。

通っているアクアショップでは3パック800円なのでコスパが良いというのもある上に、アカムシ自体が細いのでチビコリでも食べやすいというのがお気に入りポイントです。

最後に1日の給餌回数ですが、ウチでは1日4回与えています。具体的には、

8時:ブラインシュリンプ(種類によっては人工餌)
12時:冷凍アカムシ
16時:グリンダルワーム(活イトメ)
18時半:人工餌


こんな感じのルーティンです。

ただ、このように毎日大量のエサを与えていると必ず食べ残しが発生します。そこで活躍するのがラムズホーン。

ラムズホーンは食欲旺盛でとにかく何でも食べてくれるので、残飯処理として大変重宝しています。

大量にエサを与える飼育方法では、個人的にラムズホーンは欠かせない存在だと思っています。もちろん全ての食べ残しを処理してくれるわけではないので、そこは水換えでカバーしましょう。

ちなみにラムズホーンはどんどん繁殖するので、ウチではラムズホーン&ウィローモスのストック水槽まで出来てしまいました。

ラムズホーン

水換えのタイミング

水質が良くてコリドラスが元気な状態を維持することが繁殖の近道ですので、水換えはとても重要になります。

「水換えは週1回、3分の1」が定説になっていますが、大切なのは水質が悪化する前に水換えをするということ。具体的な目安は、”硝酸塩が25mg/l付近(生体に害が出ると言われる量)になったタイミング”です。

少し面倒かもしれませんが、最初は毎日水質検査をして硝酸塩が25mg/l付近になるタイミングを把握しましょう。濾過フィルターが正常に稼働していて毎日同量のエサを与えていれば、おおよその日数がわかると思います。

ちなみにウチの水槽は「4~5日に1回、2~3分の1程度の水換え」をルーティンにしています。

ただ、水質は目に見えないので予期せぬトラブルなどで悪化する可能性もあります。ですのでルーティンを過信せずに1ヶ月に1回は検査キットなどで水質チェックしたいところです。

コリドラスの産卵誘発

ここまで順調にいくと、おそらくあなたのコリドラスは元気でエサをいっぱい食べて丸々と大きくなっているはずです。特にメスのお腹がふっくらしてきたら、それはもう産卵間近と言えるでしょう。

ルーティンの水換えをしているだけで産卵するかもしれません。それでもなかなか産卵しない場合は、こちらで産卵のきっかけを与えてあげましょう。

以下は僕が産卵誘発で成功した方法になります(実践した翌日~数日後に産卵開始)

①活イトメを与える

「イトメショック」という言葉があるほど、昔から活イトメは産卵に効果的と言われています。ルーティンの水換えをした直後に、大量の活イトメを与えてみてください。

普段イトメを与えていない方でも、この日のためだけに購入する価値はあると思います。

※活イトメには雑菌が含まれてコリドラスが病気になる可能性もあるので、信頼できるお店から購入することをオススメします。この辺りは自己責任で。

また、僕はあまり意識していませんが自然界のコリドラスは低気圧時に産卵することが多いようです。ですので雨が降りそうな日を見計らって実践するのもいいかもですね。

②大幅なレイアウト変更

レイアウトを大幅に変えることでコリドラスにストレスを与え、それが産卵のトリガーになることもあります。実際、ハステータス水槽の流木を除去して大量のウィローモスを投入した翌日に産卵したということがありました。

違う水槽に引越しさせるのも効果的です。この方法はリスクなく簡単に実践できるので、試しにやってみてください。

さて、次から紹介する方法はかなりの効果を期待できますが、コリドラスに大きなストレスを与える可能性があり、病気や体調不良などのリスクを伴うものになります。

僕自身はこれらの方法でコリドラスを落とすことはもちろん、病気にさせたことなどもありません。ただ、100%安全とは言い切れないので自己責任でお願いします。

③8割ほどの大量換水

一度に大量換水することで水質に大きな変化を与え、コリドラスを刺激します。

普段から弱酸性で飼育されている場合は、中性の水道水を入れることで軽いPHショック状態にもなるでしょう。それが大きなストレス&刺激となり、産卵トリガーとなるわけです。

④水温を3~4度ほど下げる

先ほど水温の解説で「産卵を狙っているなら日常的に25度くらいで飼育しておけばOK!」とお話しましたが、それはこの産卵誘発を実践するためだったりします。

水換えの際に25度の水を1/3~1/2ほど抜き、そこに18度ほどの水を一気に投入します。すると、水温が22度前後となります。そのままヒーターの設定温度を22度にして様子をみてください。

ただ、これ以上の急激な水温変化はかなりリスクがあり最悪コリドラスが落ちる可能性もあるので、「25~26度から22~23度」に留めておきましょう。

⑤疑似乾季から疑似雨季にする

ここまでの方法を試しても産卵しない場合の最終手段として、疑似乾季の状態を作って一気に疑似雨季にするという方法があります。自然界のコリドラスの多くは乾季から雨季に切り替わった際に産卵することが多いようです。

乾季は、

 ・低水位
 ・エサがほとんどない
 ・水温が高い
 ・PHが低い
 ・水流がほとんどない

雨季はその逆で、

 ・高水位
 ・エサが大量にある
 ・水温が低い
 ・PHが高い
 ・水流が強い

このような状態になります。これを水槽で擬似的に再現するわけです。

具体的には、

 ・水槽の水位を5~6割程度に下げる
 ・エサを抜く
 ・水温を上げる(25~26度くらいでOK)
 ・水流を弱める(フィルターやエアポンプの流量を最小にし、吐出口を水槽壁面に向けるなど)

この状態を数日間維持して、そこから一気に

 ・水位を限界まで上げる
 ・活イトメや冷凍アカムシなどを大量に与える
 ・水温を22度に下げる
 ・PHを上げる(水換えで自動的に上がる)
 ・強い水流を作る(必要なら水中ポンプも導入)

このような雨季の状態を作り出します。

コリドラスに与える負担は大きいですが、個人的にはこれが最も効果的な産卵誘発法だと思います。これで産卵しなければ、まだ産卵する段階ではないと諦めて次の機会を伺う感じですね。

ちなみにここで紹介した③~⑤の方法はコリドラスに大きなストレスを与えるので、試すなら数ヶ月に1度くらいに抑えるのがオススメです。

毎週のように実践していたら、産卵どころからコリドラスが落ちる確率の方が高くなると思うので。

⑥ビタミン剤の導入

僕は試したことがないので詳細はわかりませんが、

 ・テトラバイタル
 ・セラ・フィッシュタミン

などのようなビタミン剤も産卵に効果的とのことです。僕も近々試してみて、わかったことがあればここに追記したいと思います。

コリドラスの産卵周期

初産卵後、大抵は周期的に産卵するようになります。この際、特に産卵誘発などは不要ですので、今まで通り普通に飼育していればOKです。例えば最近ウチで初産卵したコルレアは、

2023.2.26
2023.3.1
2023.3.7
2023.3.12
2023.3.18
2023.3.25
2023.4.2
2023.4.8
2023.4.13
2023.4.17
2023.4.23

このように5~7日くらいの間隔で産卵し続けています。ただ一生産み続けるわけではなく、2~3ヶ月ほど産卵が続いた後、数ヶ月お休みして再度産卵開始するのが一般的です。

ですので、上記のコルレアもそろそろ産卵が止まるころかなと思っています。

コリドラスの繁殖方法 まとめ

コリドラスの繁殖や飼育方法、産卵誘発などについて長々とお伝えしてきましたが、参考になる部分があれば嬉しいです。

簡単にまとめると、

 ①極力ストレスを与えず快適な環境を用意する
 ②エサを与えて健康的に太らせる
 ③きっかけを与えて産卵を促す

こんな流れになります。

やり方は人それぞれ違ったりしますが、ご自身にあった飼育方法などを確立すればそこまで難しくありません。

ぜひ、今回ご紹介した方法をベースにあなたなりの飼育&繁殖スタイルを見つけてみてくださいね!



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