生存率が大幅アップ!コリドラス稚魚の育て方を徹底解説!

コリドラス繁殖
ai

今回は孵化したばかりのコリドラスの稚魚たちをどう成魚まで育てていくのか?その辺りを僕の経験を元に詳しくお話していきたいと思います。

そもそも産卵しないんだけど、という場合はこちらをチェックしてみてください。

産卵したけど孵化しない、という場合はこちら↓

ということで、今回は孵化した後の稚魚の飼育方法についてのお話になります。

  • 孵化したコリドラスの稚魚たちの管理&飼育方法がわからない
  • 稚魚がなかなか大きくならない
  • 稚魚が成長する前に落ちてしまう(死んでしまう)

そんな方の参考になれば嬉しいです。

この記事でお話することは全て独断と偏見によるものですが、僕が実際に行っている「コリドラス稚魚育成法」に基づくもので、この方法での稚魚の生存率(孵化から3ヶ月ほど)は95%以上になっています。

100匹孵化して、5匹くらい落ちることがあるかな~くらいな感じでしょうか。落ちた子たちの中には孵化直後から弱りきっていたり奇形な子たちも含めるので、ほぼほぼ落ちることはない感覚です。

ハステータスやピグミーのようなチビコリは稚魚が弱いので落ちやすいですが、それでも生存率70%くらいです。

ということで、正解かわかりませんが参考になる部分があれば取り入れてみてください。

では行ってみましょう!

コリドラスの稚魚育成で用意するもの

卵が孵化後のことを考えているということは、既に採卵済みで孵化待ちな状態だと思います。おそらく孵化するまでに3~7日ほど掛かるので、その間に以下のものを用意しましょう。

稚魚の飼育容器

このブログでも以前オススメしましたが、サテライトに採卵している場合はそのままでOKです。プラケースなどで卵を管理している場合はサテライトを用意しましょう。サイズはM or LのどちらでもOKです。


サテライトを使わずに稚魚を育成する方法もありますが、個人的にはサテライトが管理面や生存率など含め、総合的にオススメかなと。

で、ここからはサテライトを使う前提で進めていきますが、必ず「グレードアップキット2」も使用してください。これがないと、稚魚がどんどん本水槽に流れていきます。

サテライトはエアポンプなどを使って本水槽の飼育水を循環させる仕組みになっているのですが、僕はエアポンプではなく「水作のスペースパワーフィットプラス」を使用しています。

  • 使用しないシャワーパイプの穴をエアチューブで塞ぐ
  • 鉢底ネットでエアチューブを固定してサテライトに飼育水を供給

こんな感じです。サテライトには様々なカスタマイズ方法がありますが、僕がこの方法にしている理由は、

  • エアチューブから水が供給されているのがひと目でわかる
  • 水流がちょうど良い感じ
  • 水中ポンプを止めた時にサイフォンの原理でサテライト内の水が逆流しない
  • 1つの水中ポンプで3つのサテライトを安定的に回せる
  • サテライトの標準キットより音が静か

みたいなところです。

サテライトの標準的な使用方法でも問題ありませんが、この辺は好みの問題かなと。特に稚魚に与える影響などは変わらないと思います。

サテライト内の汚れやゴミの吸い出しなどの管理がしやすいように、底床は何も敷かずベアタンクにしています。

また、親水槽の飼育水が常時循環している状態なのでサテライト内の水換えなどは一切していません。定期的な親水槽の水換え時にサテライト内も同時に水換えできている感じですね。

コリドラス稚魚用の餌

稚魚用、特に孵化後3週間くらいまでに必要な餌として、

  • ブラインシュリンプ
  • アルテミア100
  • 人工餌

これら3つを用意しています。


ブラインシュリンプは毎日沸かす必要があるので、そのための容器(ハッチャーなど)も一緒に用意しておきましょう。


「ブラインシュリンプが稚魚の口に入らないのでゾウリムシ(インフゾリア)を与える」という情報も見たことがありますが、僕はコリドラスの稚魚にゾウリムシを与えたことはありません。

上記3つの餌だけで生存率90%以上を維持できているので、特にそれ以外は必要ないと思っています。

その他

必須ではないけど準備しておいた方が良いものとして

  • 水草
  • ラムズホーン

これらがあります。

理由は後述しますが、水草は何でも良いです。ちなみに僕は以前までウィローモスを使っていましたが、今はサテライト内で浮く大きい水草としてビオトープ内で育っているアナカリスを使っています。

コリドラス稚魚の飼育方法

コリドラス稚魚の育成準備が整ったところで、ここからは具体的な飼育方法についてお話していきます。

飼育容器のセット

先述した通り、僕は「飼育容器=サテライト」で「水中ポンプ」で親水槽の飼育水を循環させています。先ほど紹介した設定方法だと若干水流が強い気もしますがそれによって弱る固体もいないので許容範囲かなと。

※ハステータスやピグミーのようなチビコリの稚魚はかなり水流に弱いので水中ポンプの流量を調整した方がいいですが、コルレアなどは流量最大でも全く問題ありません(経験上)

コリドラスが落ちる大きな原因の1つに「底床の汚れ」があるので、汚れが目視で確認しやすいようにベアタンクがオススメです。

「底床の汚れ」の一番の原因が餌の食べ残しによるものなので、お掃除要因としてラムズホーンを1~3匹ほど入れておきましょう。

※確かなソースはないですが、ラムズホーンは稚魚を食べることもあるようなので孵化後5日目(ヨークサックが取れてブラインを食べ始めるくらい)に入れると良いと思います。

さらに「稚魚の餌となる微生物の発生」や「サテライト内の水質浄化」を期待して少量の水草も浮かべておくと良いです。

飼育環境についてまとめると、以下の通りです。

  • サテライト(M or L)+グレードアップキット2
  • ベアタンク
  • 水中ポンプ
  • ラムズホーン1~3匹(孵化後5日目くらいから)
  • 水草

こんな感じになります。ちなみにウチのサテライトは全てこんな感じです。

ai

コリドラス稚魚への餌やりについて

飼育環境についてお話したところで、ここからは僕が実際に行っている餌やりについて。稚魚が落ちる主な原因の1つに「餓死」があるので、参考にしてもらえると嬉しいです。

1日の餌やり回数

まず1日に与える餌の回数ですが、これは決まった回数というものはないと思っています。

例えば稚魚にブラインシュリンプを与えるとお腹がピンク色になるのですが、12時間後でもまだピンク色になっている場合があります。

その場合、12時間経っても消化しきれていない状態ですので餌を与える必要はないかなと(与えても食べない)同じ稚魚でも3週間くらい経つと吸収も早くなり、1日3回与えても常にお腹空いていそうな状態だったり。

なので「1日3回あげる!」と決めるより、稚魚の状態を見て判断するのがベストだと思っています。

また、コリドラス稚魚の成長速度には大きな個体差があるので、単純に「生後1週間」みたいに一括りにすることも難しいです。

ですので、ここからはあくまでも標準的に成長している前提での目安という感じでお伝えしていきます。

孵化から3日

コリドラスは「ヨークサック」という栄養袋みたいなものを持って産まれてきます。そのヨークサックが吸収し尽くされてから餌を食べ始めるという感じですね。

個体差はありますがヨークサックは孵化後2~4日でなくなると言われているので、餌もその頃から与えていきましょう。

と言っても場合によってはヨークサックの有無などの判断が難しかったりするので、僕は「孵化後3日目から餌を与える」と決めています。

一気にたくさん孵化したりするので、一匹ずつヨークサックの有無を確認するのは無理だったりしますからね。

孵化から3~10日ほど

ここからは毎日沸かしたブラインシュリンプを与えています。

僕は朝8時ころに与えれているのですが、夕方になってもお腹がピンク色だったりすることもあります。その場合は朝1回のブラインで給餌終了です。

夕方にチェックしてブラインが消化されているようなら、アルテミア100を与えています。

この辺りからはラムズホーンも投入して残餌の処理をしてもらっているので、多少多め(若干の食べ残しがあっても良い程度)の餌を与えるようにしています。

孵化から10~21日(3週間)ほど

この頃になると体格もしっかりしてきて、ホバリングしたり活発に泳ぎ回ったりし始めます。ここまでくれば一安心といった時期ですね。

僕の場合、ここからは今まで通り朝にブラインシュリンプ、そして夕方に人工餌を与えるようにしています。このタイミングで人工餌を与えるのは、成魚になってからもメイン餌を食べてもらえるように慣れさせる餌付けの意味合いが強いです。

僕は成魚にグロウDを与えているので、稚魚にはグロウS(稚魚用のパウダー)を与えています。成魚のメイン餌としてコリタブを与えているのでしたら、すり鉢などで粉状にして与えると良いと思います。

経験上、稚魚は何でも食べるのでこの段階でメインの人工餌に慣れさせると良いかなと。

孵化から3~4週間以降

ここからはブラインシュリンプをやめ、

  • 冷凍アカムシ(ハサミで細かく切る)
  • 冷凍イトメ or グリンダルワーム
  • 人工餌

この3つを朝昼晩の3回に分けて与えています。(親魚に与える餌と同じルーティン)

グリンダルワームの培養方法についてはこちらをチェックしてみてください。

本来はまだブラインを与えた方が良い気がしますが、ウチには稚魚が大量にいてブラインが追いつかないもので(汗)

ただこの辺りからは成魚と同じ餌を与えつつ、かつ嗜好性&栄養価の高い冷凍&活餌を多めに与えて早く成長するように促しています。もはや稚魚のような過保護ではなく親魚と同じ扱いにしていく感じですね。

コリドラスコルレア稚魚の成長記録

僕のコリドラス繁殖部屋にいるコルレアを画像付きで紹介したいと思います。同じ固体の時系列的な成長記録ではなく、今現在うちのサテライトにいる稚魚たちの紹介になります。

孵化直後

孵化してから数時間しか経っていないコルレアの稚魚たち。まだ卵から抜けきれていない稚魚たちもたくさんいる状態ですね。

とりあえず水草(アナカリス)を浮かべ親水槽の飼育飼育水を循環させながら3日ほど放置します。

孵化から1週間

容姿が若干コリドラスっぽくなってきました。この段階では1日2食(朝:ブライン・夕:アルテミア)を与えています。

この辺りから、食後はお腹がピンクになるので餌を食べているかの判断がつくようになってきます。コリドラスの稚魚は意外と丈夫ですので、ここまで育つと一安心ってところでしょうか。

孵化から2~3週間

この辺りになると見た目も「コリドラスの子供」みたいになってきますね。この頃は食べる量も増えてくるので、1日3回(朝:ブライン / 昼:刻んだ冷凍イトメ or グリンダルワーム /夜:人工餌)を与えています。

餌の量やバリエーションが増えてくるので、成長速度も速くなっている気がします。

孵化から1ヶ月

サテライトだと手狭になってくるので30cm規格水槽にお引越し。個体差もありますが、この辺りからコルレアの特徴(ブラックトップやアイバンドなど)が表れてきました。まだラインは出ていませんが。。

一気に水槽が大きくなったことにより、活発に泳ぎ回っています。(よく動くことでお腹が空くので餌をたくさん食べるというメリットもあり)

ここでブラインシュリンプは卒業で、1日3食(朝:刻んだ冷凍アカムシ / 昼:グリンダルワーム / 夜:人工餌)を与えています。

人工餌の餌付けもしつつ、活餌&生餌をガッツリ与えて大きくしていこうという算段ですね。

孵化から2ヶ月

次々と稚魚が大きく育って30cm規格水槽も過密になってくるので、この時期から60cm水槽にお引越しさせています。

サイズは全長2.5cmほどでしょうか。餌は1ヶ月時と変わらず1日3食(朝:刻んだ冷凍アカムシ / 昼:グリンダルワーム / 夜:人工餌)を与えています。

単純に大きな水槽に移動させただけですね(過密飼育を避ける&遊泳空間を広くして運動させる目的)

コリドラスの稚魚飼育 Q&A

ここからは、ありそうな質問だったり僕が稚魚飼育の初心者だった頃の疑問にQ&A形式でお答えしてみたいと思います。

Q
コリドラスの稚魚が死んでしまう原因は?
A

サテライト内で飼育している場合、産卵するくらい状況の良い親水槽の飼育水が循環しているはずなので、水質関連には問題ないと思います。

それを踏まえた上で、

 ・底床が汚れている
 ・餌が不足している
 ・強すぎる水流


この辺りが原因のような気がします。

底床の汚れや餌不足はラムズホーンがある程度解決してくれます。多めに餌をあげてもラムズホーンが食べ残しを処理してくれますし、底床の汚れも掃除してくれますからね。


その上で、1日2回ほど底床の汚れをスポイトで取ると良いと思います。ちなみにウチでは餌を与えた数時間後に底床掃除といったルーティンです。

水流に関しても、この記事で紹介した水中ポンプを使った3分岐させる方法でしたら問題なく飼育できるはずです。

めちゃくちゃ水流に弱いチビコリの稚魚でも、この方法で落ちることなく大きく育っていますしね。

Q
稚魚の餌、何日あげなくても大丈夫?
A

僕の経験上、1日1回(24時間に1回)の給餌で落ちることはほとんどないです。理想は1日複数回ですが、1回でも大丈夫だと思います(成長速度に差が表れますが)

で、まだ体ができていなく、特に餌が重要な生後1~2週間くらいの稚魚の場合、旅行で36時間ほど餌をあげることが出来なくて帰宅したら半数(15匹 / 30匹ほど)が落ちた経験があります。

あくまでも経験上ではありますが、そこからも個人的には1日1回は必ず餌を与えるべきと考えています。

無理な場合は、稚魚の生命力に任せた運頼みといった感じですね。

Q
稚魚がなかなか大きく育たないのですが・・・
A

稚魚がなかなか大きくならない原因として考えられるのは、

 ・そもそもの個体差や品種による成長速度の差
 ・餌の種類や回数
 ・水槽のサイズ


この辺りかなと思います。

チビコリなんかは例外としても、同じショートノーズ系でも品種によって成長速度に大きな差があったりします。もちろん、同じ品種でも個体差はあります。

また、餌はやっぱり活餌の方が成長速度が早い傾向がある気がします。人工餌より冷凍餌、冷凍餌より活餌ですね。

人工餌だけでも稚魚を育てることは可能かもしれませんが、早く大きくするならブラインシュリンプや活イトメなどは必須かと思います。常備するのが大変ですが。。

また、人間でもそうですが「たくさん動く=お腹が空く=ご飯をたくさん食べる」というのはコリドラスでも同じだと思うので、遊泳空間を保つ(過密飼育にせずサテライトを小分けにする)なども効果的だと感じています。

サテライト内に成長の早い大きな固体がいると、餌を取られたり萎縮して餌にたどり着けない子もいるので注意して観察したいところですね。

Q
本水槽(親水槽)に合流させるタイミングは?
A

親コリドラスや混泳魚に食べられないサイズになった時点でOKだと思います。具体的には、平均的に成長しているのでしたら孵化後3週間くらいでしょうか。

ただ、子コリドラスも餌にありつけるように与え方や種類を工夫したり、襲われた時の隠れ家なども用意すると良いかもですね。

万全を期すなら、2ヶ月くらい経って親と同じ生活でもストレスなく生活できるくらいになってからがオススメです。

コリドラスの稚魚育成 まとめ

コリドラス稚魚の育て方について、僕の経験を元にお話してみました。

コリドラスの稚魚育成はそれほど難しいことではありません。慣れるまでは戸惑うことも多いかと思いますが、コリドラスは想像以上に丈夫ですしここでお話した最低限のことを意識してもらえればそう簡単に落ちることはないでしょう。

※チビコリの稚魚はめちゃくちゃ弱いですが。。

ここでお伝えしたことはあくまでも僕の経験則ですので、参考にしつつ自分なりの方法を確立してもらえると嬉しいです。

コリドラス稚魚の可愛さは繁殖した人にしかわからない部分だったりしますので、ぜひ楽しんで稚魚育成していってくださいね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました