コリドラスの繁殖&稚魚育成において「嗜好性&栄養価が抜群の餌」が肝になってきます。そこで活餌が最も効果的になってくるわけですが、
・ブラインシュリンプは高価だし沸かすのが面倒
・活イトメは高価だし身近な店舗で売っていない。雑菌による病気のリスクもあるし
など、環境によって活餌を与えるのが難しい場合もあるでしょう。
そんな方にオススメな活餌、「活イトメの代替になり、コスパ最高、自家培養も簡単」そんなグリンダルワームを紹介したいと思います。
グリンダルワームとは?
グリンダルワームは体長2cmくらいの細くて小さなミミズのようなものです。コリドラスに与える役割としては活イトメと同じ活餌になります。
グリンダルワームは細くて小さいので、コリドラスの稚魚にも最適です。「アカムシや活イトメは大きいし、まだ稚魚に与えるのは早いかな」という段階でも与えることができます。
ちなみに、ウチでは成魚コリドラスに毎日与えるのはもちろんのこと、稚魚には
・ブラインシュリンプのみ(生後15日くらい)
・ブラインシュリンプ&グリンダルワーム(生後15日~30日)
・ブラインシュリンプ&グリンダルワーム&人工餌(生後30日~)
こんな感じで餌を与えて稚魚を大きくしています。ある程度大きくなれば落ちることもほぼなくなりますからね。
グリンダルワームのメリット
グリンダルワームは活イトメの代用になるわけですが、その効果も含めて以下のようなメリットがあります。
ランニングコストが安い
グリンダルワーム自体はヤフオクで1000円ほどで購入できます。そこから自家培養していくので、その後はグリンダルワーム自体を購入する必要はありません。ドンドン増えていきますからね。
培養に必要な設備も、この記事で紹介している通り全て100均で揃うので全部で600円くらいです。そして餌代は月に数十円。
それくらいの費用でコリドラスに毎日活餌を与えられるようになります。
雑菌などの心配がない
グリンダルワームは基本的に自家培養していくので雑菌などの心配もありません。活イトメのように「どこで採れたかわからない泥水から採取したもの」などとは違いますからね。
もちろん、活イトメをしっかり培養して販売されているお店なら雑菌などのリスクは低いかもですが、そのようなお店で販売されているイトメは高価です。10gで1000円とか。
グリンダルワームの自家培養なら何百グラムだろうがタダで、しかもコリドラスにも安心して与えられることは大きいメリットだと思います。
水質悪化しずらい
グリンダルワームは水中の中でも数日生きることができるので、食べ残しによる水質悪化のリスクもそこまで大きくありません。
コリドラスの稚魚にも早い段階で与えられる
グリンダルワームは小さいミミズなので、生後15日くらいのコリドラスの稚魚にも与えることができます。早い段階で活餌を与えることで成長が促進され、落ちる確率も低くなっていきます。
グリンダルワームの培養で用意するもの
ここからはグリンダルワームの培養に必要なものを紹介していきます。餌以外は全てダイソーで揃えることができますし、僕自身も試行錯誤した結果、ここで紹介しているものだけを使って安定的に培養できています。
培養の効果は実証済みですので、参考にしてもらえれば嬉しいです。
グリンダルワーム
まずはグリンダルワームを購入してください。アクアショップやホームセンターなどで販売されていることはほとんどないので、ヤフオクなどの通販サイトで購入しましょう。
培養容器
僕はダイソーで販売されている「シューズケース3番」を使用しています。特にこれに拘る必要もないですが、個人的にはこのサイズが一番のお気に入りです。
酸欠防止のため、蓋に数箇所ほど穴を開けてください。
鉢底ネット×2枚
こちらもダイソー商品。容器に入る大きさにカットしたものを2枚作成してください。
培養土
ダイソーの「お魚飼育らくらくソイル」が個人的なお気に入りです。
培養土はソイルの他にも、
・水苔
・腐葉土
・スポンジ
など、様々なものがありますが、個人的にはソイルが一番気に入っています。水苔は臭いがキツくなるし、腐葉土はダニが湧きやすいしスポンジはドロドロになるし・・・
という経験があるので、今はソイルのみで培養しています。コリドラス飼育&繁殖メインの場合、ソイルを活用することはほとんどないと思うので、ダイソーで手軽に100円で購入できるのがいいですね。
プラ版(下敷き)
グリンダルワームを採取する際に便利なので、容器のサイズに合わせてカットしてください。
こちらもダイソー商品です。
不織布シート
パッケージがないのですが、こちらもダイソーで購入した不織布シートになります。ラッピングコーナーとかにあった気が。
コバエやダニの侵入を防ぐために必要になります。培養容器に合わせてカットしてください。
霧吹き
グリンダルワームは湿気が多い培養土を好みますが、水浸しな培養土では上手く繁殖しません。ですので、適度に培養土を湿らすためにも霧吹きがオススメです。
グリンダルワームの餌
グリンダルワームは何でも食べるのですが、経験上「タブレットやビスケット」などの少し大きめの固体な餌が良い気がしています。
これまでにも、
・メダカや金魚用の顆粒
・熱帯魚やメダカ用のフレーク
・コリドラス用のタブレット
など、その他にも様々な餌を与えてみましたが、「タブレットやビスケットなどの少し大きめな固体の餌」が管理など含めて良かったかなと。
現在はこちらの餌を与えています。
グリンダルワーム培養のセット方法
準備ができたところで、ここから実際にグリンダルワーム培養をしていきましょう!
ステップ1 タッパーにソイルを入れ、湿らせる
ソイルの厚さは「3~5cm」くらいで良いかと思います。ソイルをビチャビチャにせず、少しずつ浄水を加えて割り箸でグルグルかき回して調整しています。
※ダイソーの「シューズボックス3番」に「ソイル1.5袋」を入れています。
ステップ2 ソイルを平らに均し、グリンダルワームを入れる
ステップ1の培地にグリンダルワームを入れます。僕の場合は培地が豊富にあるのでソイルごと入れていますが、新規立ち上げの場合はヤフオクなどで購入したグリンダルワームをそのまま入れてください。
ステップ3 「ソイル → 鉢底ネット → 餌 → 鉢底ネット」の順に敷く
ステップ4 霧吹きで全体を湿らせる
ステップ5 プラ板を乗せ、不織布シートをかけて蓋をして完了
これでセット完了です。ただ、セットする際には以下3点にお気をつけください。
・使用する水は全てカルキを抜く
・安定するまでに2~3週間かかる※
・全滅のリスクを考えて容器を3つくらいに分けると良し!
このように、培地が良い感じに馴染んでグリンダルワームが定着するのを目標にするといいです。ここまでに約2~3週間ほどかかります。
この状態になれば、毎日与えても充分な量のグリンダルワームが培養されるはずです。設置してすぐに使えるわけではないのでご注意ください。
グリンダルワーム培養の管理方法
次に、グリンダルワームの日常的な管理方法についてお話します。
飼育温度
詳しい情報がなく、僕の経験上の話ですが室温15~28度くらいなら問題なく培養できています。調子が良いのは20~25度くらいでしょうか。
ただ、室温7度くらいの部屋に放置していたら全滅したことがあるので、低気温には気をつけたいところです。
冬はコリドラスを飼育している水槽にタッパーを浮かばせて管理しています。パネルヒーターを使うのも良いかもですね。
餌やり頻度
僕は毎日グリンダルワームを採取しているので、1日で食べ切れる量を与えています。毎日与えない場合は2~3日で食べ切れる量を与えると良いです。
一度に多くあげ過ぎてしまうと食べ残した餌が腐って培養土の悪化に繋がるので気をつけてください。最初は適量がわからないと思うので、1日1回チェックして餌の残り具合をチェックするといいかもですね。
また、グリンダルワームは湿った環境を好むので、餌やりの際には霧吹きをして全体を湿らせましょう。
水換え頻度
水換えは「餌やり時」、もしくは「グリンダルワーム採取時」に行います。つまり1~3日に一度くらいですね。
方法は簡単で、
①多めに霧吹きをする
②プラ板ごとソイルを押さえて容器を傾ける
これを数回行うだけです。
グリンダルワームの採取方法
培養が安定してくると、プラ板にびっしりとグリンダルワームがくっついていると思います。プラ板にくっついている量が少なければ、鉢底ネットについているグリンダルワームを採取してもいいです。
それをカルキを抜いた水(飼育水や浄水)で洗い流し、別容器に移せばOKです。
コリドラスへの給餌方法
グリンダルワームは活イトメと違い、そのまま水中に入れても沈まないし散らばってしまいます。ですのでスポイトで採取し、アクリルパイプなど筒状のものに流して水槽の底に沈めます。
また、グリンダルワームは汚れている場合があるので、「茶こし」や「メッシュカップ」に移して一度浄水で洗い流すと良いでしょう。
定期的なメンテナンス
これまでお話した通り、グリンダルワーム培養の日常的なメンテナンスは
・餌を与える
・霧吹きして培地を適度に湿らした状態に保つ
・汚水を捨てて水換えする
この3つで大丈夫です。
ですが、1~2ヶ月ほどでソイルの寿命がきてグリンダルワームが増えにくくなります。また、タッパーの蓋を開けた時の匂いもきつくなってきます。そうなったら培地を交換してリセットしましょう。
リセットと言っても方法は簡単です。
①培地(ソイル)を新しいものに取り替える
②その中に、グリンダルワームが大量にいる古い培地を混ぜる
あとは新規立ち上げと同じ手順でOKです。
グリンダルワームの量が多いほど立ち上がりが早くなります。
グリンダルワームが増えない原因と対処法
グリンダルワームは培養が簡単と言われていますが、失敗することもあります。(僕も安定させるまでに何度か失敗しました)
もし培養が上手くいかない場合は以下のことを試してみてください。
コナダニが大量発生する
培地をソイルにした場合はコナダニが大量発生するリスクは少ないですが、それでも発生することはあります。
ちなみに「グリンダルワームの卵」と「コナダニ」の見た目は似ていて、どちらも白い粒みたいなものです。じっくり観察すると、コナダニは微妙に動くので判断できるかと思います。
もしダニが発生しているようでしたら、
・タッパーの蓋を開ける時間を短くする
・不織布シートがしっかり被さっているか確認する
外部からの侵入を防ぐために、この2点を意識することで改善されるかと思います。
培地が汚れすぎている
グリンダルワームは培地に生息するので、培地が汚れすぎていると活動も低下していきます。
・日常的に水換えする
・食べ残しがない適量の餌を与える
これらに注意してみてください。
餌が少ない
グリンダルワームも生き物ですので、餌がないと死んでしまいます。一度に大量の餌を与えるのは培養土の腐敗に繋がりますが、適度な量の餌を与えるのは重要です。
どれくらいの量が最適か、最初はよく観察して見極めるのが大切だと思います。
培地の湿り気具合
グリンダルワームの培地は「適度に湿っている状態」を維持するのが最適だと思います。乾燥したカラカラ状態は論外ですが、培地が水にタップリ浸っている状態もあまり良くないかなと。
「適度に湿っている状態」というのは感覚的な部分になるので表現が難しいですが、慣れないうちは容器を複数用意して、「安定して増える培地の感じ」を掴むといいと思います。
まとめ
グリンダルワームの培養について、僕自身が安定的に運用できている方法をお伝えしてきました。
・餌の量
・培地の湿り気具合
・リセットのタイミング
など感覚的なことが多いですが、慣れれば簡単に培養し続けることができます。
グリンダルワームの培養が安定すると、
・活イトメに替わる活餌を毎日大量に与えられる
・活餌のランニングコストを月数十円に押さえられる
・コリドラスの稚魚、成魚ともに最高の餌をいつでも用意できる
など、コリドラス繁殖&稚魚育成において大きなメリットを得ることができます。とてもオススメな活餌ですので、ぜひグリンダルワームの培養に挑戦してみてください!
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